変化球を打つには下半身の沈み込みが必要!?

変化球を打つには下半身の沈み込みが必要!?

ワードプレスに移動してきて第一回目の投稿です!!!
Wixで作成していたブログから作り直す作業をしていたため、
投稿の方は少しさぼっておりました…
(言い訳すみません笑)

 

そんなワードプレス第一回目の投稿は論文レビュー!
第一回目は野球に関する論文です。
「野球の投手ー打者対戦から見たバッティングの時間構造」
那須大毅(2017),日本神経回路学会誌,Vol24,No3,pp.132-137.

「1:はじめに」
タイトル通りでバッティングについてです!
野球の打者って3割打てれば一流って言われますよね?
4割打者というのは長い野球界の歴史の中でも存在しません。
これにはバッティングの時間的な制約が要因として考えられます。

18mあまりの距離で0.4秒で飛んでくるボールを
円形の棒で打つなんてめっちゃ難しいですよね (笑)
そのため、非常に短時間での視覚運動となります。
目で判断して脳に伝わり、運動として動きを調整しながら、
ボールにコンタクトしていく。

バッターは投手がボールを投げてから
0.15秒後にはスピード、球種。投球コースを判断しなければいけない
と考えられています。

球速が上がればこの時間はもっと短くなります。
めっちゃ難しいい・・・

でも
野球選手はそんな状況でもヒットにしたりホームランにしたりしてますよね?

この論文では
バッティングではどのような時間構造と体の動きになっているのか?
について検討されています。

「2:概要」

〇対象者
元プロ野球選手1名(投手)・元プロ野球選手1名(打者)
の計2名の元プロ野球選手を対象に実際の対戦を行ってもらった。

〇概要
2種類の球種を使用
①ストレート(速球)
②チェンジアップ(チェ)
実際に投手がマウンドから正規の距離(18.44)の間隔で投球
各球種で20スイングのデータが得られるまで対戦。

〇測定
・打者はモーションキャプチャースーツを装着して前身の運動を測定

こんな感じのスーツ↑(笑)
・投手・打者の真横にカメラを設置
・打者のヘッドスピードを測定するためにミズノ社のスイングトレーサーを使用。
←こんなやつ

「3:結果・考察」
この実験で行ったストレートとチェンジアップの投球には0.09秒の差がありました。
打者はこの時間の差をどのように埋めているのでしょうか?
下記に実験の3種類の実験結果を示しました。

①バッティングの時間構造
 図1はストレートに対するスイング動作における、
打者の各部位のセグメント中心の合成速度について示したものです。
→上肢・体幹・下肢が動くスピード・力の発揮だと考えてもらえればいいと思います。
●打者はリリース後約0.35秒後に着地
まずは着地で下半身が働く
↓              

体幹部が回旋し始める
↓               
上肢で大きな力を発揮してインパクト
の動きになっていることが分かるかと思います。
これは、ピッチングやゴルフ、バドミントンなどにもみられる重要な技術要素ですね。

②球種別での動き
ストレートの強打・チェンジアップの強打、空振りの3種類について比較をしてみました。
少し見づらいですが図2に3種類の動きの結果を示しております。

●チェンジアップを強打できている場合
接地・スイング開始をストレートよりも遅らせることができている
この時の下肢と体幹部に着目をすると…
投手のボールリリース後0.3秒の段階ではどの球種も同じような波形です。
しかし、その後ストレートでは隊幹部の動きが減速する一方、
チェンジアップ強打の場合はその後もしばらく上昇を続けています。
しかし、空振りの場合はストレート同様に減速していますよね?
これはどういうことを意味しているのでしょうか?

図2のの箇所です。
この解説は③で↓

③腰部の動き
図3は3種類の投球別で見た腰部の鉛直下方への運動(沈み込み)について表したグラフです。
このグラフが下に下がれば腰部の位置が沈み込んでいることを示しています。
バッティングでは、踏み込み足の接地に向けて身体重心を徐々に沈み込ませます。
そのため、必然的にインパクトに向けて腰部の位置は沈み込みます。

ですが、図3の部分に注目してください。
●チャンジアップに対応するときには、その沈み込みを継続させています
 →これにより設置するタイミングを調整しスイングを遅らせている事が分かります。

一方、空振りのスイングでは、ストレートと同じような波形ですよね?
そのためチャンジアップのスピードの変化に対応できずに空振りをしたということが分かります。

④投球の判断には0.15秒しかない
本実験での球速は125km/h→投球から捕手のミットに到達するまでは0.5秒でした。

そうなると…
0.5秒ー0.15秒(運動応答)-0.2秒(スイング時間)=0.15秒

つまり…
打者が投手のボールを判断する時間は0.15秒しかないということです。
スイング開始後もボールの動きに合わせてスイングを調整しながらではありますが、
スピード・球種・コースを0.15秒で判断しなければなりません。

大谷翔平の160km/hや150km/hのスプリットなんかどうやって反応するねん(笑)
捕手への到達時間が0.1秒前後ぐらい短くなります。

この場合は
スイング時間で対応?
0.15秒しかない判断時間を削る?
といった対策をしなければならないと思います。

しかし、本研究ではそこまでのアプローチができていないので、
その点については今後考察していければと思います。

★現場目線
変化球に対応するためには下半身の沈み込みを利用して時間をつくるという点については個人的に再確認できた内容でした。
昨年の秋ごろに、社会人チームの練習見学に行った際にコーチの方から、
「変化球を打つための意識付けとして、少し前にボールを投げて拾わせるティーバッティングを行わせている」
というお話をお聞きしました。
普段から練習メニューとして生徒にはそのティーバッティングを行わせていましたが、
より具体的に目的を理解することができました。

そして今回の論文を読むことで、その理解はさらに確かなものになったように感じます。
バッティングは本当に感覚的な部分があるので、普段から意識付けをしておかないと無意識には動くことはできません。
生徒にも説明をして取り組ませるのですが、なかなかうまくできないですよね(笑)

下半身で沈み込む前に、軸足の力が抜けてしまって前に出ざるをえなかったり、
バットを最短距離で出すという考えの弊害により、ヘッドが後ろに残らずに前にうちに行ってしまったり、
タイミングを外されてもバットを走らせたいのに後ろの肩が残らなかったり、、、
まだまだ課題は山積みです。

ですが、今回のレビューで変化球を打つための動きや練習方法について
少しは根拠づけられるものになったのではないでしょうか?

目指せインテリ体育教師!!!!